霖雨の森にて、

独り言を、

皕門時小説『●』

 

 

満月、今月は見なかったな。

満月カレンダーを見ると、先週の火曜にマークがついていた。

その日、残業で疲れて地面ばかり見て帰ってしまった。

この街は明るすぎて意識しないと月を見ない。

月なんてなくても明るい。

あのビルの輝きを美しいと思わなくなったのはいつからだろう。

いつでも見れると思っていた満月にこんなに焦がれているのは何でだろう。

ふと、親友の顔を最近しっかり見てないことに気づいた。